「私ここプログラム」ができるまで
どのようにして作られたか?
こどもぴあ
コアメンバーでの検討
「こどもぴあ」コアメンバーと研究者9名で会議を行い、こどもぴあとして取り組みたいことを話し合いました。そこで学校の先生に子どもの立場のことを知ってもらうための動画を作成することになりました。副次的効果として、精神保健全般について理解を深められるとも考えました。しかし、コアメンバーの体験だけでは不足したと思われたため、調査を行うことになりました。
調査を実施
2019年「精神疾患のある親に育てられた子どもに関する調査」としてオンライン調査を行いました(その結果はこちらのページをご覧ください)。その結果、子どもを発見する難しさが明らかになり、SOSを出させようとするのは無理があると考えました。学校の先生には、精神疾患の親の子どもという特別な見方ではなく、子ども全体に対してどう接してもらいたいかを伝えることがよいのではないかと考えました。次に、動画プログラムを作成するための研究班を結成することとしました。2019年度は4回の会議を開催しました。
「私ここプログラム」
開発の為の研究班を結成
2020年4月に新しく研究班を結成しました。こどもぴあ(東京)・こどもぴあ大阪のコアメンバー、学校の先生、看護や福祉の先生にもご協力をお願いしました。その後、こどもぴあ代表の坂本拓さん、副代表の小林鮎奈さんが動画のたたき台を作成してくださり、蔭山も相談を受け、最終的に引き継ぎました。その後、会議を重ね、介入研究に使用する動画が完成しました。動画では、小林鮎奈さんが体験談を話してくださっていますが、撮影のため六本木まで出かけました。
これまで「こどもぴあ」は学校の先生方とつながりがなく、どのようにアプローチできるかわからず困っていました。運よく2名の先生たちとつながり、研究に協力していただきました。学校に研究協力を依頼することができたのも先生方のおかげで大変感謝しております。
効果検証のための
介入研究の実施
2021年10月から介入研究を実施しました。コロナ禍であり、高齢者中心の感染から子ども中心の感染へと傾向が変わり、学校も大変な状況でした。参加してくださる先生方もなかなか集まらず、これまでこどもぴあとつながりのある自治体にご依頼しました。予定の人数には至りませんでしたが、これ以上お願いできる当てもなく2022年5月末で終了としました。動画の内容が良かったため、人数は少なくても期待以上の効果を示すことができました。動画視聴後の感想からは、学校の先生方が子どもたちのことを真剣に考えてくださっていることが伝わってきて、希望がもてました。