top of page

「こどもぴあ」の歴史と「家族による家族学習会」

「こどもぴあ」の歴史

2013年に未治療の親をもつ、成人した子ども3人の女性たちとの出会いから始まりました。孤立し、生きづらさを抱え、同じ立場の子どもたちの集う場を求めていた3人に協力をいただき、子どもの立場の家族学習会(子ども版家族学習会)を2015年から継続して開催し、家族学習会を経験した子どもたちが運営メンバーとなりました。名前を出しても良いという20代前半の若いメンバー3人が、代表・副代表となり、2018年1月に「精神疾患の親をもつ子どもの会(こどもぴあ)」を正式に設立しました。当時、新聞に掲載された設立時の集合写真には、多くの仲間が映っており、子どもたちの隠さない姿は、新しい歴史の幕開けを感じさせます(写真)。

「こどもぴあ」では、家族学習会を活動の中心と位置づけ、年2回程度、継続して開催しています。また,「集い」を年間4回程

rekishi_img01.png

度、定期的に開催し、毎回40~50人の成人した子どもたちが参加しています。現在は、コロナ禍のため、Zoomを用いたオンラインとなり、毎回30人程度が参加しています。
親の病気は、統合失調症、双極性障害、うつ病、発達障害、パーソナリティ障害、依存症など様々です。参加される方の年齢も20代から60代まで多様です。共通するのは、精神疾患の親を持つ子どもの立場の家族だということだけです。
自分の地域でもこどもぴあを立ち上げたいというメンバーを応援し、地域でのセミナーや集い、家族学習会を開催しながら、こどもぴあが広がっています。現在、東京(2018年)だけでなく、大阪(2018年)、札幌(2019年)、福岡(2019年)、沖縄(2020年)、岡山(2022年)と、全国6か所に「こどもぴあ」が生まれました。

精神疾患のある親をもつ
子どもの会(こどもぴあ)
ホームページ

544977398.jpg

子ども版
「家族による家族学習会」

rekishi_img02.png

「家族による家族学習会」は、家族が家族に支援するという、ピア(仲間)で行う教育プログラムです。「家族心理教育」は専門家が行ってきましたが、米国や香港では、家族が家族に教育するという、新しい取り組みが行われていました。
日本でも、2007年から専門家と家族が一緒になって、家族ピア教育プログラムを開発し、2016年度からは、全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)が実施主体となって、全国の家族会への普及を目指しています。
家族学習会は、担当者も参加者も同時にエンパワメントされ、元気になるプログラムです。家族心理教育テキストを全員で輪読し、その内容に沿った体験を語り合い、病気に関する正しい情報とともに、家族の「経験的知識」を共有します。担当者3-6人で進行し、全員で10-15人程度の小人数で、1回3時間、1コース5回で行います。現在,きょうだい、配偶者、子どもの立場の家族に限定した、家族学習会も開催されています。
子ども版家族学習会では、親の学習会で用いる家族心理教育テキストはマッチしないため、ライフサイクルに沿って経験を語り合う、独自のテキストを作成しています。心の奥にしまいこんでいた過去の記憶が思い出されて、辛い気持が起きることもありますが、新たな発見があります。学習会の担当者にとっても、参加者が回を重ねるごとに元気になる姿を目の当たりにできるのは、嬉しい体験です。自分の経験が役立つことで、自信も回復します。家族学習会は、家族自身のリカバリーを促進する活動であるといえます。
家族学習会に参加した方は、希望されると、担当者研修会に参加して、家族学習会の担当者となったり、こどもぴあの運営メンバーとなる人もいます。

bottom of page